ギグエコノミーについては以前にも記事にしましたが、これからの働き方を考える上では何度でもテーマにしたいと思っていますので、今回も切り口を変えて記事にしました。
今は働き方改革やAIなど良くも悪くも色々な変化が迫りくる時代です。
なので、まずギグエコノミーについて簡単な復習からお伝えさせていただきます。
ギグエコノミーとは、企業に雇われないでインターネットで単発の仕事を請け負う働き方や、経済形態のことを言います。
また、ギグエコノミーの働き手をギグワーカーと呼んでいます。
2017年5月24日付のCNN Moneyによると、アメリカでは2017年5月の時点で、労働力全体のおよそ34%がギグワーカーとされています。
日本でも「働き方改革」において、多様な働き方を可能にする社会を目指していますので,今後はギグエコノミーに関わる人が増加すると考えられています。
企業に縛られずに自分のやりたい仕事ができるのは、理想的な働き方のように見えます。
しかしその反面、今後10~20年間で、ギグワーカーの仕事はロボットやAIに取って代わるという指摘もあります。
今回は、ギグエコノミーの意味や語源、働き方、代表的な企業であるウーバーの説明に加えて、ギグエコノミーの将来性についてもお伝えします。
ギグエコノミーって何?その語源は?
ギグエコノミーは、米国を中心に普及している働き方です。
従来の終身雇用制度による働き方とは全く異なる新しい働き方として注目されています。
ギグ(gig)は英語の口語で、一回ごとの契約に基づいて行う演奏や、ミュージシャン同士の音合わせを兼ねたその場限りの演奏の意味です。
これが転用されて、単発の仕事という意味で使われるようになったとされています。
ギグエコノミーが拡大する背景とは?
ギグエコノミーは拡大を続ける一方ですが、その背景にはネット上で単発の仕事を提供する企業の存在があります。
このようなプラットフォームを提供する代表的な企業が「ウーバー」です。
ウーバーは配車サービスやライドシェアの最大手で、2018年8月時点では、65ヶ国で展開しています。
スマートフォンやSNSの発展によりインターネットサービスが多様化し、プラットフォームの普及で雇用主と個人のマッチングが容易になったのです。
今後も、単発の仕事を自分の都合の良い時間に行う働き方は増えていくと見られています。
ギグエコノミーの仕事例は?
2016年7月~2017年6月のオックスフォードインターネット研究所の調査によると、ギグエコノミーの市場規模が最も大きかったのは、ソフトウェア開発や技術作業で、次いでクリエイティブ・マルチメディア系でした。
配車サービスやライドシェアは、ここまで市場規模が大きくないようですね。
ここからは、プラットフォームの代表企業ウーバーのビジネスを見ていきます。
ウーバーの代表的なビジネスは、ライドシェアサービスです。
ライドシェアとは、スマートフォン、WebとGPSを利用して登録済みの一般ドライバーと利用者をマッチングさせ、タクシーに代わる移動手段を提供するサービスです。
ウーバーは、マッチングサービスによる仲介手数料で収益を上げています。
ドライバーにとっては自家用車を有効活用でき、利用者にとってはタクシーより価格が低く使い勝手が良いと、お互いにメリットがあるので、普及が急速に進んでいます。
このように一般の人がドライバーとして登録し、一般の顧客を乗せるライドシェアサービスを「Uber X」と呼びます。
日本ではウーバーのビジネスはどうなの?
このUber Xは日本で認められていないのをご存知でしょうか?
「あれ、ウーバーって日本で配車サービスを提供しているよね?」と思った方。
それは、タクシーの配車を行う「Uber TAXI」「Uber TAXILUX」、専属ハイヤーの配車を行う「Uber BLACK」のことです。
これらのサービスは、2014年から東京で展開されています。
しかし、ウーバーの代名詞であるUber Xは、日本では行われていないのです。
それはなぜでしょうか?
実は日本の現行法では、自家用車は旅客運送に使用できず、「白タク」として禁止されています。
おそらく、白タクというキーワードを聞いても平成から令和を生きる若い人には聞いたことも無いかもしれませんね。
公営ギャンブルである競輪や競艇場などの帰りに、レース場の出入り口に待機していた自家用車で、博打打ちの方を最寄り駅まで送迎する無許可でタクシーのような仕事をしていた人達のことです。
乗る側にもメリットがあって、3人~4人で知らない人同士で乗って1人頭数百円で最寄り駅まで送ってもらえるので利用する人もたくさんいた時代もあります。
話を元に戻しますと、ライドシェアのUber Xは、この白タク行為にあたるとされているのです。
2020年の東京オリンピックを控え、外国人観光客の利便性のためにも、Uber Xの規制緩和が検討されていますが、まだ結論は出ていません。
東京オリンピックの開催まで1年を切った今、規制緩和は待ったなしだと思うのですが、日本政府の対応は遅いですね。
これでは、外国企業にとって日本は参入しにくい市場のままなのではないでしょうか?
一方、ウーバーのもう一つのビジネス、ウーバーイーツは2016年から日本でも展開していますが、都心で生活を送る人にとっては見ない日はないんじゃないかと思えるほど見かけますね。
スマホアプリやWebを利用して注文すると、レストランと配達人がマッチングされて、注文品が配達される仕組みです。
まだ大都市だけでの展開ですが、地域限定のレストランや、マクドナルド・ケンタッキー・大戸屋などのチェーン店と連携しています。
都心から離れた地域では、まだウーバーイーツのサービスが始まっていませんが、いつか試してみたいと思う人も多いサービスです。
ギグエコノミーの将来はバラ色?
拡大を続けるギグエコノミーの将来は、バラ色なのでしょうか?
冒頭でもお伝えしたように、ギグワーカーの仕事は、今後10~20年でロボットやAIに取って代わられる可能性があるのです。
マッキンゼー・アンド・カンパニーのレポートは、2030年までに4~6億人分の仕事がロボットやAIにより自動化されると指摘しています。
あのウーバーも、2019年中に自動運転車の実用化を実現したい意向を示していて、すでに米国内の公道における自動運転車の試験運転を開始しています。
今後10~20年後もギグワーカーとして仕事を続けたいのならば、ロボットやAIが代わってできない仕事をしなければなりません。
つまり、高いクリエイティブ性、コミュニケーション能力や高いスキルのある人材が重宝され、生き残る時代がいずれ来ると思われます。
まとめ
今回は、ギグエコノミーの意味、語源や働き方、代表的な企業であるウーバーの説明、日本のウーバービジネス、ギグエコノミーの将来性についてもお伝えしました。
今後、ギグエコノミーの拡大に伴い、世界経済に与える影響も大きくなるとされています。
中長期的には、ロボットやAIが代わることができないプロフェショナルな仕事を目指していくことが、ギグワーカーの生き残る道ではないでしょうか?
今回の記事も最後まで読んでくださってありがとうございます^^
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