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コアラのエサ代は百獣の王を超える!天王寺動物園の運営が厳しい理由

コアラのエサ代は百獣の王を超える!天王寺動物園の運営が厳しい理由
歳を重ねる度に一人ではちょっぴり行きづらくなる動物園ですが、たまに思い出の中の動物園を散歩すると僕の場合はヤギが最初に登場します。

上野動物園で昔なかよし広場というコーナーでヤギが放し飼いにされていて触れることが出来たんですよね。

今はもうそのコーナーはヤギの体調不良などから中止されましたが、今回はヤギじゃなくてコアラと動物園の運営について記事にしました。

 

先日、大阪の天王寺動物園で飼育されていた人気者だったコアラの「アーク」が、お別れ会が開かれました。

この動物園では、多い時で9匹のコアラが飼育されていたそうです。

コアラって可愛いですよね。

「日本国内にいながらオーストラリアの人気者コアラを見れるなんて最高だ!」

「正直パンダよりもコアラの方が好きだぜ!」

 

と思っていたコアラファンもたくさんいると思います。

ですが、1頭あたり、年間約3200万円の餌代がかかってしまうことから、他の動物園へ譲り、アークだけが残りましたが、繁殖の可能性があるため、イギリスの動物園に譲渡することになりました。

動物園にいる全ての動物のエサ代のなんと3割もしめていたのがコアラのエサ代という脅威の飼育コストにも驚かされましたね。

個人的にこのニュースを見ていくつかの疑問を抱きました。

そこで、今回はコアラのエサ代の異常な高さから感じた疑問をいくつか、リサーチしたことをお伝えしたいと思います。

コアラは何でそんなに餌代や飼育代がかかるのか?

コアラのエサ代は百獣の王を超える!天王寺動物園の運営が厳しい理由1
コアラが主に食べるのは「ユーカリ」という植物です。

このユーカリというのは、オーストラリアを原産としています。

なんとなくパンダが笹ばかり食べているのと同様にコアラも葉っぱばかり食べている印象があります。

人間ならキャベツやレタスよりも肉の方が高いという印象から、コアラもお肉食べないんだからエサ代は安いと勘違いをしていました。

ですが、コアラの食べている葉っぱはただの葉っぱじゃありません。

コアラの食べている葉っぱは、メチャクチャ高いのです。

 

その理由として、オーストラリアでは多くが熱帯気候か砂漠気候なので、ユーカリには寒さに元々弱いという性質があります。

寒暖差が激しい日本では、このユーカリの栽培が難しいと言われています。

なので、限られた土地でしか栽培できないですし、農薬が使えないことや風害対策をしっかりとしなければいけないのです。

そのためには膨大なお金が必要なので、餌代の捻出に頭を悩ませる動物園が多いそうです。

大阪の天王寺動物園でも、費用が高すぎるという部分と、繁殖は厳しいのではと感じ、イギリスの動物園に譲渡を決定したそうです。

ほかの動物の餌代はどうなっているのか

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まず上野動物園で話題になっているパンダですが、パンダは一日に25キロの笹を食べるそうなので、それだけお金がかかるようです。

年間で約400万円するというのだから驚きです。

肉食動物で大人気な、ライオンやトラのエサ代は約90万円で、カバやサイのエサ代は約180万するそうです。

やはりどの動物も膨大なお金がかかりますね。

ただ、動物園の顔とも言えるパンダのエサ代に比べたらライオンやトラのエサ代が可愛く感じられます。

そのパンダのエサ代を超えるコアラの飼育コストって凄いなと比較対象があると実感できます。

ぱっと見、肉塊をがぶりと行く肉食獣のライオンやトラの方がエサ代がかかると思い込んでいたので、ベジタリアンっぽいコアラやパンダのエサ代が桁違いに高いという事実を意識すると動物園を見て回る順番も観たい動物からエサ代の高い順番に変わってしまいそうです。

やはり、飼育コストの高い動物の方が見る価値があるかなぁと、お金という物差しで動物をを観てしまいそうな自分がちょっぴり恥ずかしいです(^_^;)

動物園の運営コストはどれくらいかかるの?

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園内管理費や、動物たちの飼育代がとても膨大なのに対して、入園料などの収益が少ないという問題があります。

実際動物園に行ってみると、私たちは「安くていいな」と感じますよね。

さらには色々な割引サービスがありますが、実はそれが動物園からすると、とても頭を悩ませているということなんですよね。

とは言え、割引サービスのオファーなどの工夫をしなくては入園者数を増やすことも難しいので、何もやらないよりは絶対に良いハズなのですが、動物園という他の店舗ビジネスのような事例が無いのでマーケティングもかけにくいかもしれません。

もちろん国から助成金や補助金なども出ますが、それでも管理費や維持代がとてもかかるので、それだけでは、賄えないという現状が、あります。

動物園の収益や支出は?

天王寺動物園のとある資料によりますと、入園料の収益は、年間で約300万円だそうです。

そして支出金ですが、まずは何といっても人件費

これが約450万なので、この時点で入園料の収益を越えますね。

さらに掛かるのが、施設管理費で約530万円

支出の合計は、なんと約1000万円越えだそうです。

とても膨大なお金が、年間でかかっていると言えますね。

ここに国や行政から補助金がある程度出されると考えても、経営がかなり厳しいことがわかります。

動物園の今後の課題

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このように、動物園はお金が膨大にかかりますし収益とのバランスも全く良くないです。

長い目で今後も運営をするためにも動物園で出来ることは、やはり、経費削減ですね。

入園者一人当たりにかかる経費を少なくし、さらに施設管理費や人件費を抑えることが当面の課題になるかと思います。

ただ、動物園で色々な動物がいると私たちはワクワクしますし、やはり沢山の種類がいる動物園に行きたくなります。

ですが、それが現状、動物園を苦しめている事になってしまっているのも事実です。

なので、今後は多くの種類がいる動物園ではなく、〇〇がいる動物園のように、何種類かの動物を限定的に展示することも一つの経営手段になるかもしれません。

 

例えば今回の天王寺でしたら、コアラを売りにすることで、私たちは、コアラを見に行きたいなら天王寺動物園に行こうと思いますよね。(全く採算が合いませんでしたが)

富士サファリパークのCMでも、ライオンが強調されていて、私たちはライオンを見るなら富士サファリパークに行こうと無意識に伝わります。

そうやって、今までの「たくさんの動物がいる」ということから、「ここの動物園限定」という感じにすることで、その動物園の個性の強調になるかと思います。

専門用語ではUSP(ユニークセリングプロポジション)という独自の売りを特化することで他の動物縁との差別化により、注目を集めれば広告費も安く人を集める事ができますし、少しでも長く動物園を運営して欲しいですね。

 

今回の記事も最後まで読んでくださってありがとうございました^^

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