近年、建設業界で働く女性が増えています。
「けんせつ小町」という愛称で呼ばれていたりもしますね。
男性中心だった建設業界で女性が増えると、労働環境の改善につながることが期待されます。
事実、女性が働きやすい労働環境の整備を進めている団体も増えてきました。
また、今年の4月にスタートした「建設キャリアアップシステム」も、けんせつ小町の頼もしいサポーターになりそうです。
そこで今回は、建設業界で働く女性の現状や今後について見ていきます。
建設業界で働く女性の現状は?
男性の職場というイメージが強い建設業界ですが、女性の割合も年々増えてきています。
国土交通省の調査によると、平成27年度の女性技術者の割合は4.5%、女性技能者は4.2%と、まだまだ少ないですが、女性の割合が50%以上の建設会社も出てきました。
そこで思うことは、建設業界で働く女性が増えてきたのはなぜなのか?
最近は建設現場で働く女性現場監督が増えてきました。なぜでしょうか?
その理由は以下のとおりです。
1 社会の後押し
建設業界で女性の活躍を推進する団体が増えてきました。
具体例を挙げていきますと、
一般社団法人(一社)日本建設業連合会 けんせつ小町部会
(一社)土木技術者女性の会
(一社)建築設備技術者協会 設備女子会
(一社)日本造園建設業協会 女性活躍推進部会
日本建築仕上学会 女性ネットワークの会
全国低層住宅労務安全協議会 じゅうたく小町部会
などが主な団体ですが、環境整備、建設業のイメージの向上、女性同士の悩みの共有などに取り組んでいます。
企業を超えた横のつながりを作り、情報交換、交流会、eラーニングシステムなどを提供している団体が多いようです。
また「ドボジョ」という漫画が刊行されたり、業界紙でもけんせつ小町の特集が組まれるようになりました。
けんせつ小町にとっては、心強い存在となっているのではないでしょうか?
2 情報通信技術(ICT)の進歩
ICTが進歩したことによって、危険は作業や力仕事が減ってきました。
ICTとは「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略称です。
男性よりもコニュニケーション能力が一般的に高いとされる女性が通信情報技術を習得することで、より良い仕事の情報伝達が可能になっている現場もあります。
男性は物事を考える際にとりあえず、体を動かすことを優先させる人が建築業界には特に多いので、そのような男性の効率的な働き方のサポートも期待されていますね。
3 建設現場における労働環境の向上
女性が使うことを想定した用具が登場してきました。
例えば、メイクや日焼け跡がつきにくいように工夫を凝らしたヘルメットも見られるようになってきました。
女性用の仮設トイレを設置した建設現場も増えています。
建築現場ではたらく男女比率は圧倒的に男性の数の方が多いため、トイレの問題は何気に大きな問題だと思います。
その点を配慮するだけでも、女性にとっての働きやすさ改善にはとても寄与するはずです。
4 妊娠・出産後も働ける環境の整備
建設会社の多くで、妊娠や出産後も働きやすい体制作りが進んでおり、大手ゼネコンでは、既にこうした体制が整備されています。
しかし、他の業界の事務職では当たり前のことですが、男性中心の建設業界はまだまだ産休や育休の取得実績が少ないようですね。
だからこそ、この部分を変えることによって、他の業界以上に女性が働くことで得られる働きがいにも繋がりますし、最も改善する価値のある部分とも言えるでしょう。
ところで、建設業の現場監督の仕事には力仕事はほとんどありません。
図面通りに工事が行われているか確認したり、工事の進捗状況を管理するのに力は要りませんよね?
また、現場の足場の高さは170cm位なので、小柄な女性は現場で歩きやすかったりします。
高身長の男性は、屈んだ状態で歩かなければ頭をぶつけてしまいます。
男性の多い現場で、女性の現場監督がいることで、雰囲気が和らぐこともあるでしょう。
建設キャリアシステムは建設業界の女性の追い風になるの?
「建設キャリアアップシステム」は今年の4月にスタートした制度で、建設業界で働く技能者の仕事の能力を統一した基準で評価する仕組みです。
技能者の資格、経験や現場歴などをデータベース化して、ICカードで仕事履歴を蓄積していくものです。
これから建設業界を支えていく担い手を確保、育成するという目的で作られました。
この制度によって、技能者の能力が適正に評価されることが可能になります。
また、技能者が同業他社への転職しやすくなり、キャリアアップしやすい環境が整います。
一度建設業界を離れた労働者の経歴情報も示すことができるので、妊娠、出産、育児で一旦仕事を辞めた女性にとって、とても良い制度になるのではないでしょうか?
もちろん、キャリアップを目指す建設業界で働く女性にも追い風となる制度と言えるでしょう。
建設業界の女性の活躍は?建設キャリアアップシステムが追い風に!まとめ
今回は、建設業界で働く女性の現状や今後に加えて、建設キャリアアップシステムについても見てきました。
技能者の高齢化、社会の後押しや働きやすい体制作りにより、建設業界における女性の活躍がますます期待されることでしょう。
今回の記事も最後まで読んでくださってありがとうございました^^
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