こんばんは!
サポートライターのじんです。
今回は、小説家の友人に頼んで、
先日作った記事とは別の切り口で「人手不足倒産」について記事にしてもらいました。
外注という形で、文章のプロと自分の書いた記事との比較もできますし、この記事を読むために時間をあなたから分けてもらっていることを自覚しているのでより良い記事をお届けしたいと思っています。
人手不足というパラドックスについて解決の糸口になる内容ですので、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
ちなみにパラドックスとは「逆説」や「矛盾」という意味合いがあります。
ニュアンス的には「矛盾」よりも意味の幅が広いかもしれませんし、世の中にはあらゆるパラドックスが存在していますので、その点も踏まえて読んでいただければと思います。
では、以下から本文になります。
人手不足倒産というのが2020年を前にして急増している。
人手不足倒産とは、売り上げ・受注共に絶好調な会社が人手不足のためにつぶれるというものだ。
これは一種のパラドックスである。
その元には社会やビジネスが会社に求める仕事と、個人が求める仕事の間のギャップがある。
その会社が社会からは大いに求められても、労働者たる個人からは見向きもされないということだ。
中小企業の倒産が相次いでいるため、人手不足倒産は中小企業の危機とも捉えられている。しかしそれは実は的外れな見方である
人手不足倒産を通じて、この先の日本経済について考えてみたい。
人手不足倒産が示す会社フィルタリングの時代
人手不足倒産の原因については色々と言われている。
第一に挙げられるのは、15歳から64歳までの労働生産人口の減少だ。
各種データが示すよう1995年と2015年を較べれば1000万人以上も減っている。
これは現在の東京の総人口にも匹敵する数だ。
それが示すことは、今後は会社が個人を選ぶのではなく個人が会社を選ぶ時代になるということだ。
大きく見れば今日本の産業ビジネス界全体は、労働者個人によって大きな淘汰・フィルタリングにかけられている状況だといえる。
いくらビジネスが絶好調でも、既存の社員や就活中の人などの個人に見捨てられれば終わりという時代になってきているのだ。
その結果、人手不足倒産が起こっているといえる。
そのため事業規模というのは本質的に関係ない。
中小企業だからつぶれるということではないのだ。
人手不足倒産は仕事への意識の高まりによるもの
個人が会社を選ぶ時代になったのは、人が物欲よりも精神的な満足を優先するようになったからでもある。
また、実質的に個人に余裕ができたからでもある。
社会福祉や就労スタイルの拡充によって今、労働人口の中にも無収入や低所得でも生きていける人たちが出てきているのだ。
年金のある親と同居して慎ましい生活を送ったり、ネットビジネスで個人起業したりと企業に属さずとも生きていいる人は今数多くいる。
そういう中で仕事への意識の高まりが出てきた。
自分の人生を捧げられるような生きがいや社会貢献度の高いやりがいのある仕事がしたい。あるいは仕事の労力にちゃんと見合った給料が欲しい。
生活に余裕が出てくる中で、多くの人はそのように仕事への意識が高くなってきたのだ。
今、人手不足倒産している会社の多くはそれらのニーズを満たしていないはずだ。
中小企業ばかりつぶれているのは、単に資金不足だからだ。
大企業は内部留保金が多く、癒着した政治家を通して公的な援助を受けられる。
そのためやりがいがない仕事でも給与水準が高いので優秀な人材を確保できている。
しかしそういった資金もいずれ切れる運命にある。
おそらく後2~3年で、大企業の中にも人手不足倒産が起こり始めるだろう。
ワークアズライフを実感させる新時代の企業
人手不足倒産の実体は、新時代における会社の淘汰・フィルタリングだといえる。
そして企業の事業規模に関わらず淘汰の力は働く。
ではどうすれば生き残れるのだろう。
資金力のない中小企業や新規企業や起業家は、何よりもまず魅力的な仕事を創造しなければならない。
そうすれば若い働き手やスキルのあるベテランなどを取り込むことができる。
やりがいや生きがいを感じさせる仕事であれば、誰も給料の話はしないだろう。
職場に給料の話が出る会社とは大抵、仕事自体に魅力がないところだ。
その仕事に誇りや楽しみを持てれば、大抵の社員は給料の低さに目をつむるだろう。
ものすごく魅力的な仕事であれば、生活できるだけの額でも社員を満足させられるだろう。
今ワークライフバランスという仕事と生活の程よい均衡状態を保つことから、ワークアズライフの時代に入っている。
それは仕事と人生の境界がない状態を意味する。
仕事が人生の中に自然と組み込まれることでそれは実現できる。
そのためには仕事が充分に魅力的でなければならない。
今後、年金受給者や失業者がどっと増えることでベーシックインカムという生活最低給付金が国民全員に払われる可能性が高くなってくるだろう。
そうなればますます企業は魅力的な仕事を創造しなければ人材を得られなくなる。
これからの時代は労働者にワークアズライフを実感させる企業が生き残ってゆくだろう。
人手不足倒産を防ぐ助成金のあり方と実現できる未来
もちろん仕事をすべて魅力的なものにすることはできない。
世の中には人気はないが絶対に欠かせないという職種は山のようにある。
特に介護・農業・建設・運送・清掃といった職種の人手不足は深刻だ。
これらは大々的に需要があるのに人手不足で倒産する業務の代表的な例でもある。
政府は外国人労働者を大幅に増やすことで対応に当たっているが、移民問題のリスクを抱えることになる。
また低賃金労働によってすでに外国人の人権問題が表面化してきてもいる。
解決策はシンプルだ。
国が大々的に助成金を出せばいいのだ。
国はずっと過労の代償として公務員の給与を上げ続けたり、製薬会社のもうけのために医療費を上げ続けたりしている。
そういう税金の無駄づかいをやめれば、すぐに実現できることだ。
私たちの暮らしに絶対に欠かせない職種にこそ税金を使い、給与を上げて人材を確保すべきなのだ。
そのために私たち庶民ができるほぼ唯一のことはちゃんと選挙に参加し、正しい人に票を投じることだ。
政権交代は何も難しいことではない。
投票率が60%を超えるだけで変えられる。
そして政治家が変われば政治は絶対に変わるものだ。
AIやロボットに社会インフラを任せられる時代はまだ10年以上先の話だ。
それまでは国の人手不足企業への助成が最も大切なことになる。
人手不足倒産とは、大きく見れば新たな日本に生まれ変わるための起爆剤になりうるものだ。
やりがいのある仕事がどんどん増える一方で、つまらない仕事は消えてゆき、つまらなくても絶対不可欠な仕事は守られてゆく。
そんな時代が遠からずやって来ようとしている。
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