最近では「SDGs」をご存知の方も多くなっているのではないか。
ただSDGsと書いて「エスディージーズ」と読むことはあまり知られていないだろう。
SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称。Goals(ゴールズ)なので最後のSはズになるというワケだ。
SDGsとは簡単にいえば、具体的なゴールを掲げた環境問題への国際協調的な取り組みのこと。
16才の活動家・グレタさんの登場で今日本でも再び環境意識が世代を超えて高まっているときだ。
意識が低めの人でもSDGsのクールなロゴやピンバッジを見ればきっと気持ちが動くはず。
就活中の人や会社勤務の人には企業の取り組みも気になるところだろう。
今回はさまざまな視点からSDGsを掘り下げてゆこう。
SDGsの成り立ち
SDGsはこの40年に渡る国連環境政策の“ゼロ成果”が生み出した最後の取り組みだといえる。
1972年スウェーデンのストックホルムで最初の環境サミットが開かれた。
が、2012年ブラジル・リオのサミットで環境問題が改善するどころかより危機的になっていることがあらわになる。
そこで3年後の国連気候サミット中、コロンビアの提唱からSDGsが生み出されたのだ。
それまでの対策との最大の違いは明確な達成課題と共に「タイムリミット」と「具体的なゴール」を定めたことだ。
期限は2030年までの15年間。
日本もふくむ参加162カ国はすべて毎年どれだけのことが達成できたかを国連の場で発表する義務を負っている。
SDGsとはおそらく今世界の取り組みの中で最も優先すべきプライオリティだろう。
それは崖っぷちから落ちかけた世界に向けて差し出された最後の救い手といっても過言ではない。
ロールプレイング・ゲームのようなSDGsの進め方
17個のゴール・課題には明確性を高めるためにクールなロゴ・アイコンが作られた。
それはポスターやピンバッジにもなったので、特に若者のファッションやインテリアの文化にも溶け込んでいる。
17個のゴールには1つ1つ達成の段階レベルも明記されている。
「変化の周期表」と呼ばれるもので縦横にロゴが並んでいる。
縦進行で下にゴールがあるので縦書き文化の日本人には特に分かりやすいだろう。
ここにはゲーム効果的な狙いも透けて見える。
ゲームの圧倒的な人気の核心には、ほとんどのゲームが明確に最終ゴールを設置し、それまでのプロセスにも1つ1つゴールが設けられていることがある。
SDGsのシステムもまさにそれだ。
目標や理想に具体的な道筋・ロードマップが加われば、その達成確率はケタちがいに上がる。
もちろん政治も絡む以上、SDGsはどんなゲームよりも遥かに複雑な取り組みになるだろう。
だが最初にこの枠組みができたことは大きな希望になりうるだろう。
今後10年の人類に課せられた17個の目標達成ゴール
SDGsの最大の理念は「誰ひとり取り残さない」というものだ。
それに対応して17個のゴールの1から3は、貧困・飢餓・健康・福祉となっている。
1つ目のロゴにある「貧困をなくそう」の具体的な道筋は次のように明記されている。
・2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
・2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。
豊かな日本でも2項目はまだ達成されていない。
5人に1人の子どもが相対的な貧困状態にあり、福祉重視の税制システムへの抜本的な改革が喫緊の課題だ。
17ゴールの続く項目、教育・ジェンダー平等とこれも日本にとって大きな未達成課題だ。
次は水とクリーンエナジー・経済成長・技術核心。
ここには環境活動が物質的な豊かさと共にあるというより成熟した環境意識「グリーン・ニューディール」に重なる理念が見える。
グリーン・ニューディールを掲げればより広く人々を環境対策に向かわせることができるだろう。
続くゴールは不平等根絶・安心の住環境と差別や治安など人間社会の暗部に光を当てている。
そうしてリサイクル・気候変動対策・生態系の保持・平和と協調の精神と壮大なテーマで締めくくられる。
夢や目標は大きいに越したことはない。
そしてそこに具体的な道筋があればなおいいものになるのである。
日本の取り組み企業の光と影
SDGsは国だけではなく民間企業も抱き込んだ環境への取り組みだ。
日本でも外務省のHPでその協賛企業の名前とその具体的な取り組みが確認できる。
「あいうえお」順の中、上段にあるアート引越しセンターの取り組みが目を引く。
今同社では「エコ楽ボックス」を開発して食器などの割れ物でも紙を使わずにパッキングできるようにしている。
またダンボールの多くをリ・ユースにして循環的に使用している。
朝日新聞ではNHKのクローズアップ現代の司会者だった国谷裕子さんが主役になりSDGsの啓発運動を新聞紙面やWEB上で頻繁に行っている。
ただまだ企業の取り組みは不十分だ。
日本を代表するグローバル企業・トヨタやソフトバンクやユニクロの名前が外務省のHPに載っていないのは驚きの事実である。
協賛企業の1つ・お笑いの吉本興業には色々と問題がある。
以前、京都市がSDGs関連の市政PRとして漫才師のミキに100万円の謝礼で彼らのツイッターにその宣伝をさせたことがある。
これは立派なステマ広告であり、税金の悪質な利用ともいえる。
最近では厚労省がポスター事業のために吉本に4,000万円もの公金が払われたことが非難の的になった。
SDGsなどを大義名分にして政府が癒着した企業に多額の税金をプレゼントする。
このようなことが続けば、格差拡大でSDGsの取り組みが土台から引っくり返されることになるだろう。
ただでさえ今、自民党は「桜を見る会」でまたも税金の私的利用を疑われている。
SDGsがうまく行くにはその国の政治が腐敗していないことが前提になっている。
庶民にとってはまず良い政党を選挙で選ぶことからSDGsへの取り組みが始まるのだ。
⇒ギグエコノミーの特徴と具体例!魅力と注意点から見える課題とは?
⇒究極の自営業アーティストの繁忙期と閑散期は?小説家の実体験と対策
⇒倫理法人会の実態や悪評は?メリットやデメリットと会費や入会金も!
日頃の1つ1つの小さな決断が人類の未来を決める
SDGsに対しファッションから近づいてゆく手もある。
SDGsのロゴやアイコンは国連のWEBページですぐにダウンロードできる。
プリントアウトすれば部屋のクールなインテリアにもなる。
ガールフレンドを部屋に呼べば大きな得点が稼げるだろう。
古今東西どの国の女性でも男に求める最たるものは優しさなのだ。
またそのバッジはamazonなどでも購入できる。
ポスターやバッジなど普段から目に触れるようにしておけば、環境意識は自然と高まってゆくはずだ。
庶民が日々の生活で出来ることも国連WEBや関連サイトに山ほど書いてあるので参考にしよう。
エコバッグを日常化するだけでも大きな一歩になる。
自分の小さな心がけが地球のためになっていると実感できれば、独りよがりの満足でも気分は上がるものだ。
この夏、新海誠監督の映画『天気の子』が大ヒットした。Radwimpsは主題歌の中「愛にできることはまだあるかい」と問いかける。
これには多くの人が胸を痛めただろう。
こういう問いが切実に響くほど今世界は崖っぷちに立たされている。
そこで必死に手を差し伸べてくれるSDGsに手を伸ばすか、それともそのまま落ちてゆくか。
すべてはあなたの日頃の1つ1つの決断にかかっている。
将来に備えて自分の切り札を作り込む講義
押して見る!👇