元ヤングなでしこ・井口祥容疑者による事件で、最近また電話による特殊詐欺に注目が集まることになった。
U19の元サッカー日本代表選手が詐欺の「受け子」を務めたことは、多くの人にオドロキを与えたのではないだろうか。
それは特殊詐欺などのいわゆる闇バイトが普通の人たちにもその魔の手を伸ばしていることを伝えるニュースでもあった。
いったい闇バイトとはどこからやって来て、どう人を勧誘しているのだろう。
多くの場合その裏で糸を引いている黒幕はいわゆる半グレと呼ばれる不良集団である。
そんな半グレたちは今後、暴力団との関わりの中でどうなってゆくのだろうか。
闇バイトと関わらないためのアドバイスもふくめ、そういった闇社会の実態を考えてみたい。
闇バイトのよくある勧誘プロセス
闇バイトは一昔前のように大都会の路地裏に迷い込んだ人たちだけが被害者になるものではない。
今その主な窓口はネット上のSNSになっている。
つまりあなたがどこで住んでいようとスマホのやり取り次第で闇バイトに関わってしまうこともあるのだ。
先の井口容疑者のように高齢者の預貯金を狙った特殊詐欺の受け子になる人の大半はスマホを通じて闇バイトに出会っている。
出発点はSNSやネット掲示板の書き込みだ。
彼らの多くはお金に困っていると自ら書き込む。
普段人に言えない恥ずかしいことでも匿名のネット上では簡単に言えてしまうのだ。
そこで半グレ集団との最初の接点ができる。
連中はSNSのダイレクトメッセージなどを通じて、直接会いたいと申し出る。
多くは気軽で優しいメッセージなので、何気なく約束を交わし会ってしまう。
最初の大きな過ちはそこにある。
半グレ集団はまず何とかしてあなたの弱みを握ろうとする。
個人情報を手に入れ、それをネタに社会生命を脅かす巧妙な脅迫行為を始めるだろう。
それに負けて1つでも犯罪行為に加担すれば、それは致命的な過ちになる。
連中はそれをネタにさらに脅しをかけ、あなたはますます抜けられなくなる。
そうして逮捕されるまで半グレ集団の犯罪奴隷になってしまうのだ。
受け子と呼ばれる人たちの多くは大体このような末路をたどっている。
決して彼らに大きな落ち度があったわけではないのだ。
将来性ゼロの半グレ集団と暴力団
最近では特殊詐欺の大元を暴力団が務めていたというケースもある。
暴対法の厳格化で年々弱体化する暴力団には、もはや素人衆に手を出さないという古き良き仁義もなくなっているのだろう。
つまり今や暴力団も半グレの身に落ちているといえる。
そもそも半グレ集団は暴力団の弱体化によって生み出されたものだ。
かつて暴力団は警察と共存共栄の関係にあった。
暴力団がいることで警察の手が回らない犯罪が抑止されていた。
つまり、かつては暴力団も街の治安維持に貢献していたのだ。
また暴力団が犯罪行為をほぼ独占していたおかげで、何か事件が起きれば警察は暴力団とのパイプを通じて早期解決に持っていけた。
だが近年、犯罪そのものが急速に減ってゆくことでその蜜月関係が崩れた。
犯罪の減少で暴力団の悪事が目立つようになり、市民の不満を買って警察の取締りが強化されるようになったのだ。
そこで半グレ集団が出てきた。
かつて暴力団にビビって悪事が働けなかった連中が暴れ始めたのだ。
それはサバンナで人間によるライオン狩りが行われた後にのさばりだしたハイエナとも似ている。
だが両者共に将来性はない。
反社勢力の最大のエネルギー源は社会の貧困である。
今、日本でも格差は広がっている。
だが、明日食べるものもないという人の割合・絶対的な貧困率は急速に落ちているのだ。
詐欺師は慎ましい人には寄ってこない
特殊詐欺件数もすでにピークを過ぎ、受け子をふくむ被害者の数も減っている。
だが、反グレ集団などは最後の悪あがきで、ますますその魔の手を広げてゆくだろう。
根本的にどうすれば受け子などの闇バイトに関わらずに済むのだろう。
理想論からいえば、まず等身大の人生を送ることがカギになる。
SNSにお金が欲しいと書くような人は実際それ以前から破滅のときが始まっている。
彼らの多くは消費者金融から借りることさえできないほど債務超過に陥った過去があるはずだ。
その根本的な原因は、自分の稼ぎにふさわしいお金の使い方をしていないことにある。
その多くは稼いだ分だけ使うという人だ。
自由に使えるお金というのは稼ぎから生活費を差し引いた額である。
いわゆるキャッシュフローともいえるお金だ。
それが少なければしばらく貯金するか、生活レベルを落とすのが望ましい。
いつまでも貧乏な人はお金を貯める前に高い買い物をして負債を作る。
反対に金持ちになる人は充分にお金を貯めた後に余裕を持って高い買い物をする。
買い物をするときは鏡で自分を見ることが大切だ。
自分はその買い物に値するものかどうか、見栄で買っているんじゃないかどうか。
そういうことが考えられる慎ましい人はいつの時代もお金に困ることはないのである。
欲をお金以外のところに持ってゆくこと
もちろん、そんな正論なんか聞きたくないよという人もいるだろう。
私はここで忍耐力がなく欲張りな人を否定したいわけではない。
欲を持つこと、あるいは欲を持ちすぎることは全く悪いことではない。
問題はその欲をどこに向けるのかにある。
世の中がお金で回っている以上、お金に欲が向くのもごく自然なことだ。
しかしお金を得ること自体が目的化すれば、その人の人生はカラッポになる。
反社勢力はその隙をついてあなたに襲いかかってくるのだ。
あなたの大きすぎる欲は、ポジティブな情熱にもなりうる。
お金にならなくても何か1つのことに情熱を燃やせれば、周囲から笑われても決して自分を情けなく感じることはないだろう。
これもまた正論なのかもしれないが、私が今出せるカードは他にない。
こんなことが綺麗ごとに聞こえるほど過酷な現実を生きている人もいるだろう。
正直、そんな人に対して出せるカードは今私の手の内にはないのだ。
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